背を伸ばしたい時にナニを摂る? プロの体づくりではアミノ酸が好まれる理由
たんぱく質がいいの?コラーゲンがいいの?アミノ酸がいいの?
“背を伸ばしたい”や、“体を大きくしたい”といった積極的な体づくりをしようとする時に普段の食事以外にプラスアルファで摂取するものにはさまざまなものがあります。
例えば、プロテインやコラーゲンやアミノ酸など…。
でも、背を伸ばしたい体づくりには果たしてそのどれがいいのでしょうか?。
そこでよく耳にするのが『プロテインを飲んだら筋肉がつくから、だからプロテインは飲まない!』という話や、 『背を伸ばすならコラーゲンがいい!』というような話です。
でも、そこには様々な誤解があったりするのです。
たんぱく質もコラーゲンもアミノ酸も同じもの?!
そもそも“たんぱく質”も“プロテイン”も、“コラーゲン”も“アミノ酸”も…実は同じものなんです。
同じと言い切ってしまうと正確ではないので 正しく言い直しますが…それらは全部『同じ類のもの』と言えるのです。
簡単に言うと、プロテインってたんぱく質の英語名なんです。つまりそのまま“たんぱく質”って事。
実際サプリメントの“プロテイン”というのはは卵や牛乳や大豆から抽出したたんぱく質の事なんです。
そしてコラーゲンはたんぱく質の一種。
そして、“アミノ酸”というのはそれらたんぱく質が細かく分解されたもの。
つまりたんぱく質って(コラーゲンも…)アミノ酸がたくさん繋がってできてるものなんです。
それらたんぱく質は食べると胃や腸の“消化酵素”なるものに消化され分解されていって“アミノ酸”というものに分解されます。 その『アミノ酸』まで細かく分解されてやっと腸から血液中へと吸収され、それが血管を通って体のそれぞれの場所に運ばれていくのです。(下図参照)
そうして体の各部に運ばれたアミノ酸がまるでレンガを集めて塀を作るようにまた繋がっていきその場所に合うもの…例えば骨のコラーゲンや筋肉や皮膚や髪の毛といったものにそこで改めて組み立てられるのです。
よく勘違いされるのが、サプリメントのコラーゲンを摂取すればそのコラーゲンがそのまま吸収されてヒトの体のコラーゲンの部分にそのままくっつくように思われ…だからコラーゲンがいいと思っている人がいますが、 実際はたとえば何かのコラーゲンを摂取したからといって、たんぱく質であるそのコラーゲンがそのまま人間のコラーゲンにはならないし、そのままくっつくなんてならないのです。
よくサプリメントに入っているコラーゲンは魚や豚から取ったコラーゲンだったりしますが、あくまでそれはブタコラーゲンや魚コラーゲンであって、コラーゲンという同じ種類ではあってもそれは人間の体にあるヒト・コラーゲンとは構造が違う別ものなんです。
つまり、骨はコラーゲンなんだからといってコラーゲンを摂取してもそのままそれが骨のコラーゲンになるわけではなく、結局同じ消化吸収のプロセスを経てアミノ酸まで分解され、その分解されたアミノ酸が体に吸収され同じように各部に運ばれその運ばれた『アミノ酸』が材料となって改めて“ヒト・コラーゲン”がまた組み立てられるのです。
プロのアスリートやプロのモデルさん達がアミノ酸を好むのはこういった理由から!
さて、消化・吸収の過程では必ず消化しきれないもの(消化吸収ロス)が生まれてしまうので、その消化しきれなかったものは体外に排出されてしまいます。
例えば100gの牛肉を食べても吸収されるのは人にもよりますが10%~多くても30%くらい。
つまり…吸収されて実際に吸収されるのは100gの牛肉を食べてもほんの20g程度だったりします。
もちろん全部がたんぱく質ではないので“体の材料”となるたんぱく質そのもので言えば更に少なくなる事もあるわけです。 そして残り80%が未消化のものとして便として排泄されてしまうのです。
つまり例えば魚のコラーゲンを摂取してもやはりそこから消化のプロセスがある為、同じように消化吸収ロスが生まれます。
でも、最初からアミノ酸を摂取すればそういった消化吸収のロスは生まれません。
また、消化・分解するプロセスが省かれますから飲んでから吸収され血液中に入るまで非常に短時間ですむので、目的に合わせてとても使いやすくもなり、だからプロアスリートやプロモデルといった人たちは体づくりにアミノ酸を、より好むのです。
アミノ酸には更にこんな事も!
更に言うなら、近年の研究でそれぞれのアミノ酸がそれ単体でも様々な働きをする事が判ってきており、例えばあるアミノ酸は成長ホルモンの分泌を促したり、あるアミノ酸は睡眠を深めたり、別のアミノ酸は肝機能の改善をしたり、またあるアミノ酸は気持ちを明るく全ての面で前向きにする働きがあったりもします。 さらには別のあるアミノ酸は筋肉の動きを俊敏にもする等といったような様々なものもあるので、そういった単体の働きをも鑑みて目的に合わせて摂取していたりもするのです。
こういった理由もプロのアスリートやプロモデル達は体づくりにアミノ酸を好んで使う理由の一つであったりするのです。